2011/11/06

将来を読む

「正しい選択をするためには、過去ではなく将来を見なければならない。」

いまさらだけれど、世の中の中国、BRICs、N11の経済成長により、日本の経済競争力(GDP)が相対的に低下する。国内の人口は減り、高齢化するのであれば、これまでの常識は通用しなくなる。内需が期待できないのであれば、量ではなく、アイデア、質で勝負しなければならない時代になることは明らかだし、日本という国でしかモノを見られなければ、今よりもさらに世界のマイノリティとなってしまう。
たまには大局観をもって世の中の物事を見ることが必要だと感じた週末です。

The N-11: More Than an Acronym より

2050年のGDP予測 

2011/10/01

セミナー「変革を担う経営者に求められるものとは」

JFEホールディングス株式会社 相談役 數土文夫氏の「変革を担う経営者に求められるものとは」というセミナーに参加しました。

略歴はこちら
http://mba.globis.ac.jp/seminar/detail-1579.html

御年70歳とは思えないパワフルな方で、含蓄のある話を聞くことができました。

■経営とは「新しい継続的な価値」の創造である
「継続的」に価値を生み出だすことが必要であり、過去に提供した価値で満足してはならないとおっしゃっていたことが印象的でした。
その継続的な価値を生み出す一つの方法論に多様性・異質性を求めると仰っていました。
戦後〜1991年頃までは均質性・同質性が求められたが、1991年以降は多様性・異質性が求められている。その背景はアメリカを見ていればよい世界は終わり、中国、ブラジルなどの新興国発展などによる地政学的な視点から生まれていると理解しました。

日々の実感としても、今の業界のルールが今後5年も続くとは思えません。
それをよい意味で破壊して再構築するカギが多様性・異質性だと頭では理解できるのですが、自ら戦略的に変化を進めることは非常に難しいと感じています。多くの組織は、外部環境の変化により変化せざる得なくなり変化するのではないでしょうか。

自らが継続的に価値を生み続けられる人になるために必要な能力
1.インテリジェンス (学問) 
2.表現能力 (アカウンタビリティ) 
3.胆力 (度胸、勇気)

インテリジェンスや胆力は、古典や歴史から学ばれたそうです。
なので、早速、司馬遷の史記を読みはじめることにした :)

他にも、興味深い話がありました。
・サラリーマンとは上司に恵まれる訳ではない
・何事からもチャンスを見つける
・競争は悪いものだと思われている。
 競争とセーフティーネットは異なる。競争とセーフティーネットは両立できる

いろんな方の話を聞き、実践を振り返り、考えることで少しずつ学びが深まっているように感じます。

2011/08/06

日韓企業文化の違いに見るグローバル戦略と国際競争力 サムスンSDI 佐藤登さん

新渡戸塾でサムスンSDI の VP、佐藤登さんの話を聞いてきました。
テーマは「日韓企業文化の違いに見るグローバル戦略と国際競争力」。
元ホンダで開発を行っていた経歴があり、日韓企業の文化の違いと現在取り組まれているリチウムイオン電池に関するお話でした。

特に興味深かったのは、戦略を実現するための人事システムの構築方法です。サムスンの戦略はよく聞かれるとおり下記の特徴があります。
・トップダウンの意思決定 (財閥)
・当初から海外市場を狙った開発
・新しいビジネスを素早く立ち上げるスピード経営

これらを支える人事システムが日本ではあまり聞かないものでした。
採用では世界中の優秀な人材を取り込みます。佐藤さんはじめトップのヘッドハンティングもあれば、新卒は非常に狭き門であり、サムスン入社試験対策塾の市場ができるほど。ここで優秀な人材の絞り込みをします。
配置では、海外市場を狙うためにも世界中で採用をするとともに、年間200-300人を海外へ送り込み、1年間その国の文化を理解するために生活する制度もあります。
評価・報酬では、本当の意味での成果主義であり、年齢にかかわらず頻繁に報酬のアップダウンがあります。さらに、マネジャー職では、目標を達成したか否かで評価され、未達であればクビとなります。

このように、サムスンは優秀な人材のみを集め、さらにその中で競争させることで勝てる人材のみをふるいにかけていく仕組みがあります。

現在、日本の多くの企業が向かっているであろう組織力や情報共有とは真逆な文化にもかかわらず、世界で躍進している事例を見るに、勝ち方は一つではないことと、日本企業が成功しているサムスンの制度を真似しても勝てないことを感じました。

なぜなら、優秀な人材を集め、競争による勝ち残りレースを開催し、ドライな評価で成果を出さないマネジャーはクビになる制度や企業文化まですべてコピーすることにとどまらず、トップダウンの元、すでに優秀な人材が集まり、企業が多角的に成長しているなかで、優秀な人材が次々と集まる状況でなければ戦略を実現できないためです。

いろいろと考えさせられるお話でした。

2011/06/12

資本コストに関する意識

資本コストを意識するためのEVAという指標を学びました。
EVAの導入は「資本コストを意識する」というメッセージになります。しかし、肌で感じたことがないためか、新たな行動につなげることが難しい指標だと思いました。

現場では、EVAの収益と若干の資本効率(在庫など)はがんばれても、資本構成は手の出しようがないなど、コントロールの範囲と評価があわない可能性が出てきます。

さらに、国内の市場から資本コストに関する圧力の低さ?とステークホルダーの資本コストの理解の低さを想像すると、国内のみでビジネスをする場合には、EVAの導入と評価制度への直結は慎重になるほうがよいと感じました。

グローバル化する企業の例より、こんな感じの施策群になるようです。
1.組織のグローバル化
2.資本コストの意識
3.EVAの導入と評価報酬制度の連携
4.EVA最適化するためのカンパニー制導入

とはいえ、企業価値を理解するためには資本コストは外せないものなので、どのような形で評価に組み込むのか意識しなければなりません。

自分の価値観と向き合う。人の価値観を読む。

価値観って何だろう。
日々、大小様々な判断の根底には価値観深く関わっています。普段多用しているはずの価値観ですが、自分の価値観と向き合うことは力を使うし、なかなか難しいものです。しかし、価値観を文章化してみることは、自分のありたい姿を作るための第一歩としてよいと感じました。

実際に価値観を書き出してみたのですが、はじめは多くの人が良いと感じるきれいな価値観ばかり出てくることに気づきました。ただ、これも書き出してみないと気づかないことで、それが本当に自分なのか?と問いかけてみると、いろいろと出てくるものです。そして、今の価値観なんて流動的なものですので、書きながら修正すればいいや、と軽く始めてみるとよいんじゃないでしょうか。

自分以外でも、他人の行動の裏にある価値観は何か?を読むと、相手を理解しやすくなるとか。
また、誰かの上に立つ人であれば、どういう「価値観」でチームを運営したいかを持つのもよいそうです。

まずは、自分に向き合ってみることから。
できれば、直接業務に関わらず "Cool head, hot heart" 話しを受け止めてくれるメンターがいるとよいのですが。

Q. 仕事や人生で大切にしていることは何ですか?
Q. 仕事の目的は何ですか?


2011/06/05

読書 大企業の意志決定の難しさ 「イノベーションのジレンマ」

本書はパラダイムシフトを要する技術と大企業の関わり方について書かれた本です。
副題は「技術革新が巨大企業を滅ぼすとき」と、インパクトのあるものです。

大企業の優秀な経営者ほど、技術の変化の節目では失敗を犯しやすく、その背景にある技術の変化と、組織の意志決定をいくつもの事例を使って説明しています。次の市場を作る新たな「破壊的技術」が生まれていることを理解しながら、なぜ、大企業はそれに乗り遅れ、場合によっては業界から撤退することになるのか。
技術を扱う企業(特に大企業)で仕事をされるかたにおすすめです。

本書では技術を2種類にわけています。

持続的技術:
・主要市場の顧客が今まで評価してきた性能指標に従って、既存製品の性能を向上させる

破壊的技術:
・主流市場において短期的には製品の性能を引きさえる効果を持つ
・新しい顧客に評価される特徴がある
・低価格、シンプル、小型で使い勝手がよい場合が多い

この破壊的技術に大企業が直面したときの組織の意志決定と伴うリソース配分が本書の山場です。

■大手企業が破壊的技術に取り組むことを遅らせる理由
・既存市場の要望は、持続的技術である場合が多い
・まだ市場が存在しない場合があり、市場規模を予測できない
・市場規模が予測できても、大企業から見ると規模が小さすぎる
・低価格、低利益であり、大企業のコスト構造で参入を躊躇する
・持続的技術と破壊的技術では、社内のオペレーション、人事評価制度、マネジャーに求める資質が異なる

■破壊的技術とどうつきあえばよいのか?
・既存の組織、制度、文化の中で取り組まない
・学習し、発見するための計画を立てる (持続的技術は、実行するための計画を立てる)

では、数ある技術のなかで、何を破壊的技術ととらえ、どう判断するのか。続編を読みながら考えてみます。